山行の報告 home 山の本
私の登山の教科書

Into Thin Air/Jon Krakauer/Anchor Books  


1996年5月10日、エベレスト(8848m)に南東尾根から3遠征隊が登り、5人の死者を出し、大きなニュースになった。日本人の女性登山家が登頂に成功したニュースが入った直後に遭難の知らせが届き、しばらくテレビ、新聞を丹念に追った記憶がある。このときの1遠征隊であるロブ・ホール隊のクライアントとして参加した雑誌記者のジョン・クラカウアーの報告である。同じ悲劇に遭遇して本を書き残したアナトーリ・ブクリーエフとは違う隊であるが、リーダを含め4人の死者を出した隊の記録である。遭難時の様子がより詳しく報告されている。スポーツは、なんらかの危険を内在している。スポーツをする以上、危険を承知しているといわざるをえない。登山は、より高い危険性をもっている。高度が私の登る山と全くことなるが、この本を読んで、より慎重な登山を心がけたいと思った。遭難時の様子は、涙なしでは読めない。