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2000

朝日連峰/西朝日岳(1814m) 



Saturday.June.17.2000/曇り
新津(2:00) (5:30)日暮沢小屋 (8:30)竜門山 (9:30)西朝日岳(10:10) (10:50)竜門山 (13:00)日暮沢小屋 (13:30)柳川温泉(14:10) (18:00)新津

朝日連峰の雪解けが1ヶ月遅れている。---

柳川から大井沢トンネルをぬけると、前面に朝日連峰が広がる。最初に驚いたことは、その白さである。雪が谷以外の斜面に残っている。例年の5月の連休にやってきたようだ。 登ってみると随所に雪が残っていた。ゴロビツの水場の手前の登山道は、雪におおわれていた。清太岩山手前に大きな雪庇が残り大雪渓となっていた。また、竜門山頂直下も雪渓が残っていた。

梅雨期の貴重な晴れ間を使い、日帰りで朝日連峰を歩く。---

5月の連休あたりから朝日連峰の山行が、ウエブ上をにぎわし始める。悪質な風邪で連休中に動けなかったので、いっそう朝日連峰に恋いこがれる。窮すれば知恵が沸くものである。新津から日帰りで朝日連峰に行くというのは、普通、考えない。登山口で前日泊して翌日ピストンしたことはある。天候が1日しかもたないので、今回深夜出発で日帰りをすることにした。帰宅が遅く、睡眠は3時間余となった。登りのつらさを予想する。しかし、日帰りの荷物が極端に軽くなるので、予想したほどの苦痛はなかった。食料、水、無線機、カメラ、ビノキュラ、雨具などで装備は十分である。コンロ、燃料、コッフェル、寝袋が、日帰りなので不要となる。

梅雨期の朝日連峰は、花に覆われる。---

梅雨期の朝日連峰は、麓から山頂までいろいろな花に覆われる。ピンク色のイワカガミが高度に無関係にみることができた。麓のものは、淡紅色、縦走路のものは濃紅色である。白いコブシと赤いツツジが麓にたくさんみられた。新緑の中に、白や赤は鮮やかに映る。麓の登山道にピンクのイワウチワがあった。清太岩山付近の登山道は、紫色のカタクリにおおわれていた。竜門山頂に白に近いピンクの桜が満開であった。縦走路の熊笹のなかに紫色のシラネアオイがおおきな花弁をつけていた。西朝日岳へ行く途中の岩や砂礫の中に白いハクサンイチゲ、淡黄色のチングルマが小さな花を咲かせて群生していた。雪割草の親戚らしいがミヤマウスユキソウが淡緑色の肉厚の葉を風に揺らしていた。

残雪期の清太岩山直下の雪渓を下るとき、コースを間違えやすい。---

登りの場合、心配はいらない。ガスられてもより高い方へ行けばよいからである。しかし、下りの場合、工夫が必要だ。雪庇上から下る尾根を俯瞰し方向と位置を確認する。雪庇に沿って降りていくと、左の支尾根に迷い込む。尾根の中央を下るのである。尾根の左側は、沢に続いており雪渓を下りすぎると迷い込む。尾根の右側は、谷に続いている。いったん下って新緑の林の中に入ってしまうと、今どのあたりにいるかわからなくなる。尾根が広がり平坦になっているからである。目立つ大木や、枯れた大木を目印に位置を確認するしかない。また、わずかにでている夏道も貴重な位置確認の情報である。ホワイトアウトになったら、下山はとても困難になる。登りの時点で赤布をたくさんつけていくしかない。

竜門山頂直下の雪渓の下りは、長く急である。---

天気が良ければ、見えるので心配ない。だが、急なのでアイゼンがあればとてもよい。ホワイトアウトになれば、ブッシュと赤旗で位置を確認する必要がある。雪渓に覆われた尾根の左右は深い谷に続いている。今回アイゼンを持たずにきたので、ピッケルだけが頼りで、上り下りともとても苦労した。

梅雨期で登山者が少ない。---

早朝、竜門山への登山者は、6人だけだった。そのうち5人までが西朝日岳にやってきた。3人は、西朝日岳の分岐点から雪渓が残る西朝日岳まで足を延ばして、そこで昼食をとっていた。私も躊躇したが、梅雨期の朝日連峰の登山者は少ないようだ。

下山時、朝日連峰の山開きの関係者多数にあう。---

6月18日(日)に、山開きが行われる。事務局関係者が多数、大きな荷物を背負い上ってきた。大朝日小屋で17日の夜、大宴会が開催されるようである。私は、泊まりの計画でなかったので、安心してそれを聞いていた。

ピラミッド型の大朝日岳を眺め、下山する。---

西朝日岳分岐点に着くと、多少かすんでいるが、大朝日岳の雄姿を眺めることができた。ここからみる大朝日岳はきれいなピラミッド型をしている。左手前に中岳、奥左側に小朝日岳という位置関係になる。大朝日岳、以東岳、竜門山、西朝日岳の写真をとる。昼食後、アマチュア無線でCQを出す、1局だったが酒田市の朝日連峰によくこられるという局長さんから声がかかり、しばし朝日連峰の情報交換をする。じっとしているとレインウエアを羽織っても寒く、体がふるえる。移動中であれば、半袖ポロシャツ1枚で十分なのであるが。8ヶ月ぶりの残雪期、梅雨期の朝日連峰を堪能し下山する。柳川温泉で汗を流し、帰路に就く。

Photo:Cherry blossoms on the top of Ryumonzan(1687m) 2000/6/17
Photo:Ryumonzan(1687m) and its snowy valley from Yufunzan 2000/6/17
Photo:Dai-Asahidake(1870m) and left Syo-Asahidake(1648m) from Nishi-Asahidake 2000/6/17
Photo:Snowy valley on Seitaiwayama (look down) 2000/6/17
Photo:Snowy valley on Seitaiwayama (look up) 2000/6/17
Photo:Snowy valley on 1,000m high 2000/6/17
Photo:Japanese azalea on Seitaiwayama 2000/6/17
Photo:Ryumonzan's snowy valley 2000/6/17
Photo:Many tiny alpine flowers on the path between Ryumonzan and Nishi-Asahidake 2000/6/17
Photo:Nishi-Asahidake(1814m) 2000/6/17
Photo:The path for Dai-Asahidake(1870m) from Nishi-Asahidake 2000/6/17
Photo:Dai-Asahidake(1870m) from Nishi-Asahidake 2000/6/17
Photo:"Shiraneaoi" on Ryumonzan(1687m) 2000/6/17
Photo:Kankozan(1695m) and distant Itodake(1771m) from Ryumonzan 2000/6/17