1997
菱ヶ岳(974m)
Sun.March 9.1997/曇り
新津(6:30) (7:20)菱ヶ岳登山口駐車場 (9:30)菱ヶ岳山頂(9:40) (10:30)杉鼻(11:00) (11:45)菱ヶ岳登山口駐車場 (12:15)新津
残雪期の菱ヶ岳に登る。今冬はじめての菱ヶ岳登山である。マンサクの黄色の花の歓迎を受ける。森のあちらこちらに黄色くたなびく霞のように咲いている。しばらく留守にしているあいだに、山はすっかり春だ。踏み跡が、多くの登山者の残雪期の菱ヶ岳入山を示している。3週間前には、五頭山からビノキュラで窺うが人影を確認できなかった。しかし、もうこんなに多くの人が春の菱ヶ岳を楽しんでいる。
菱ヶ岳には、残雪期に限って、3カ所で冬道が形成され、距離が少しだけ短縮できる。1つ目は、最初の稜線で尾根道へ上がる手前の場所である。夏道は、直登を避け、まいて村杉温泉からの登山道との合流地点までのびている。冬道は、直登して尾根道に至る。2つ目は菱見平をカットする冬道である。3つ目は、杉鼻の冬道である。夏道は、雪崩の巣のような急斜面で、トラバースは不可能である。
今年は、山も少雪である。昨年は、ナイフの刃のような雪庇だった場所が、丸い山のままである。また地上にでている木の部分が昨年より2mも多いところもある。菱ヶ岳山頂付近の木々が昨年より多く見える。昨年は、多くの木々が雪の下で、斜面の手がかりがなにもなく、キックステップだけで登った記憶がある。
気温が下がったおかげで、締まった雪面をらくに歩くことができる。ところどころ滑るがアイゼンはいらない。ワカンは、まったく使う必要がない。頂上が近くなると、新雪がうっすらと覆う。頂上付近では、新雪が5cmほどになる。そのため踏み跡が吹雪ですっかり埋まり、新しくキックステップをきり、登る。
山頂から、五頭山、菅名岳、下方はるかに新潟市が見える。しかし、飯豊連峰は、雲に覆われて見えない。テントをもってきたが、山頂に張るのをやめる。風は弱かったが、荒れるとテントの撤収を難しくする。中腹で張ることにする。菱ヶ岳から五頭山への縦走路は、かなりとがった雪庇が形成されている。縦走する気にさせない。ビノキュラで覗くと、五頭山五の峰に1人、三の峰に向けて登る2人連れの姿が見える。じっとしていると鼻水が出てくる。下山する。
今日の菱ヶ岳は、貸し切りだと思っていたが、下山の途中で、数人の登山者と会う。杉鼻付近でテントを張る。昼食をとり、無線で呼びかけるが2局しかつながらない。後が続かないのでやめてテントをたたむ。陽が射すようになる。気温があがり雪がとけて、つぼ足とならないうちに早足で下山する。幸運にも駐車場まで雪面は、かたいままであった。駐車場には、30台ほどの車があった。
3週間ぶりの登山で、コッフェルや水を忘れるハプニングがあったが、とても気分のすっきりする山行であった。山に春が来たことをつげるマンサクの花をみて、本当に春を感じた。