1997
飯豊連峰・頼母木山(1708m)
Fri.May 2.1997/晴れ
新津(5:15) (7:00)国民宿舎梅花皮荘駐車場(7:15) (9:45)西俣ノ峰 (12:45)頼母木山 (15:00)頼母木小屋(泊)
Sat.May 3.1997/曇り
頼母木小屋(5:00) (7:00)西俣ノ峰 (8:00)川入荘(9:00) (10:30)新津市
朝5時過ぎ、前夜準備した荷物をトランクに入れ、出発する。R49ーR290ーR113で約2時間かかる。梅花皮荘の前の桜が、綺麗である。山小屋泊まりは、秋以来である。久しぶりの荷物は、きつい。登山口まで雪はない。登山口手前で、カタクリと水芭蕉の群生地を見る。最初の沢に、雪が押し出されて山となっている。この沢の手前から尾根にとりつく。赤い布が目印である。尾根に上がるまで1時間の急な登りである。登り初めてすぐに垂直な岩場がある。枝や根につかまりよじ登る。カタクリ、椿、ツツジ、新緑の歓迎を受ける。
尾根に上がってからは、長い登りが続く。大池?付近から雪が多くなる。アイゼンをつける。2年ぶりに使う。雪庇上を登っていくと西俣ノ峰に至る。赤い布がたくさん木々につけられている。ビノキュラで先の登山道を窺うと、井上氏の飯豊登山情報のとおり雪庇がところどころ落ちている。藪こぎがたいへんそうである。山頂手前1時間くらいのところに2人のパーティーが確認できる。踏み跡が、消えかけていたので昨日のものかと思ったら2時間ほど前の踏み跡なのである。
陽ざしが強くなり、目だし帽をかぶり、更にサングラスをつける。おかげで藪こぎで、はねる枝で顔を傷つけなくてよい。この時期の紫外線が、1年で一番強い。数年前、顔を10時間近く無防備に太陽と雪にさらして、水泡ができ医者に通ったことがある。
雪庇とかすかに残る廃道を何度も交互に登る。廃道の藪こぎは、登りではかなりの体力を使う。今回も赤い布に助けられて、広く方向を見失いやすい場所を難なく通過できる。まことにありがたいことである。山頂手前1時間ほどのところに岩の上に碑がある。ここできつい藪を横切る。そこに山頂まで続く雪渓が広がる。帰るときに誤って下に行かないようにまわりの様子を記憶にとどめる。スキー場のゲレンデのような長い雪渓をひたすら一歩一歩登る。山頂の手前に二カ所笹原がある。下の方は、傾斜があるがなんとか笹原を通らずに雪渓を横切れる。深い谷まで続く雪渓なので注意がいる。上の方は、笹原を渡るしかない。最後の雪渓を登ると山頂である。6時間ほどかかった。
山頂が近くなるにしたがい風が強くなる。バランスを崩すほどである。頼母木小屋までは夏道も出ているが、雪庇も残っている。小屋に到着すると先行者の二人が下山するところであった。タフネスに脱帽する。
小屋は綺麗である。しかし、風が強く、うなり声をあげている。ひとしきり強い風が吹くと共鳴して異様な音が鳴り出す。今回も小屋は貸し切りとなった。無線で10人ほどと情報交換する。下界は27度になったとか。ゴールデンウィークの飯豊で吹雪のないのは、初めてのようだ。天気は持ちそうである。風はひどいが地神山がずっとみえている。
風がうるさくて1時間ごとに目が覚める。ダウンの寝袋では、暑くて寝苦しい。上下1枚づつ脱ぐ。アルコールのせいもあるが、実際、気温がたかいようだ。
朝4時に起きる。下山の準備をする。風がやんでいる。室温は、2度である。戸外の雪は、カチカチである。早い朝食を済ませ、5時に出発する。頼母木山で、昨日よりクッキリみえるエブリサシ岳、二王子岳、飯豊本山をカメラにおさめる。
雪渓を下る。アイゼンをつけていても急なところは足がすくむ。踏み跡が残っているので、下山も心配はいらない。今回は、支尾根に誤って降りることもなかった。3時間で下る。途中誰にも会わない。駐車場で初めて3人のパーティーと挨拶を交わす。
梅花皮荘は、10時半まで、掃除で風呂が使えない。隣の川入荘の露天風呂に入る。500円である。下を流れる玉川を見下ろせる。正面は、北股岳であろうか真っ白である。